WEB版あいちゃん便り
コロナの感染が落ち着いている時期にしておくべきことは・・・眼科検診!
まもなく緊急事態宣言が全面解除になる見通しです。
でも、多くの方が、そう遠くない間に第6波がやってきて、また我慢の日々が始まるのだろうと感じておられるのではないでしょうか?
だからこそ、緊急事態宣言が解除されたら、久々に羽を伸ばして「お酒を飲みたい」「旅行に行きたい」「友人や親せきに会いたい」と思っておられることでしょう。
きっと京都は、これから紅葉などで観光に良い季節となるので、街中や観光地には人があふれることになりそうです。
きれいな景色を見て、美味しい食事をして・・・開放感を楽しみたいお気持ちはわかりますが、中高年の方には是非その前にやっていただきたいことがあります。それは“検診”です。
新型コロナで引きこもっていた間にも、確実に体は歳を取り劣化しています。眼も同様です。
例えば・・・ ある50代男性の話
健康診断で「右目の視神経乳頭の異常」を指摘され、眼科を受診。緑内障と診断され、眼圧を下げる点眼薬を処方されていました。新型コロナで眼科に通わず、点眼薬がなくなったので約1年間点眼を中止していました。ふと、モノが見づらく感じ、片目で見てみたら右眼の周辺に薄い膜のようなもの見えました。慌てて以前の眼科に駆け込んで調べたら緑内障が進行していました。
この例のように、実は新型コロナで病院通いを控えたことで目の病気が進行した患者さんは少なくありません。
---- 特に心配なのが緑内障です。末期になるまで視力は落ちないので患者さんには自覚症状がありません。視野欠損が始まっていても視野の検査をしないとわかりません。
定期的に検査をして状態を確認し、治療を継続することが大切です。「しばらく検査を受けていない」「点眼を中止していた」など、心当たりのある方は、すぐに受診してください。冬場には眼圧が高くなるため、緑内障が進行しやすく、発作のリスクも上がる時期です。寒くなる前に、眼科を受診してください。
---- 糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、なども要注意です。糖尿病性網膜症は「網膜の中心の黄斑部に新生血管と呼ばれる脆い血管が伸び、そこから出血する病気」です。黄斑変性症は「黄斑の組織が加齢とともに萎縮」したり糖尿病網膜症と同様に「黄斑部に新生血管が侵出し出血」したりする病気です。OCT(光干渉断層計)という検査機器で3カ月~半年に1度くらいは新生血管や出血が増えていないかを調べる必要があります。
---- 目の中でホコリが舞っている、蚊が飛んでいるように見える「飛蚊症」の人も注意が必要!網膜に穴が開いている、網膜剥離が起こりつつある、という可能性があります。網膜剥離は進行すると穴の開いた網膜から水分が流れ込み、剥離が進んで最悪の場合、失明することもあります。特に、片目の視野が下から欠けると危険です。眼球の上の部分から剥離が始まったことを意味し、重力の影響で網膜に水が流れ込みやすく網膜が一気にはがれ落ち、モノが見えなくなってしまう可能性があるからです。
どの病気も、失明のリスクが高い病気です。中高年は数カ月で病状が変わる場合も多いです。眼科の病気で死ぬことはほとんどありませんが、生きていく上で「見え方」は生活の質に直結します。
テレビもスマホでのゲームも、旅行も、日常生活も、「見える」からできることです。
平均寿命が100歳に近づきつつある今、新型コロナに負けず、充実した人生を送るために、今の時期こそ、眼科を受診し、チェックを受けておきましょう!!!