WEB版あいちゃん便り
目は紫外線に弱い?③【結膜病変:瞼裂斑炎】
今日は、前回に引き続き、「紫外線が原因のひとつ」と言われている目の病気で、
結膜に影響が出る病気です。
白目は、外側から「結膜」「テノン嚢」「強膜」という3層構造になっています。
一番表面で、外からの刺激を受けやすいのが「結膜」です。
【結膜病変】 瞼裂斑炎(けんれつはん)
※ 結膜とは、まぶたの裏側から眼球前面の白目の部分(黒目の周囲まで)を覆っている膜。
≪病態≫
「瞼裂斑」とは、紫外線やコンタクトレンズによる刺激などで、結膜が分厚くなった状態。
通常は、その部分が白目の色よりも少し黄色っぽく見えます。
足のかかとの皮膚が擦れて硬くなるのと同じで、白目の中で、紫外線や風、まばたきなどの刺激受けやすい黒目の横(眼球を地球の形に例えると、赤道に相当する水平線領域)に発症することが多いです。その場所にタンパク質や脂肪、カルシウムなどが沈着して黄色く変色していいます。
「瞼裂斑」の部分が炎症を起こすと「瞼裂斑炎」になります。
炎症が起きると、身体が「炎症」を治すためにたくさんの小さな血管を伸ばしてくるので、白目が充血します。
人生が長くなると、それだけ受け続ける刺激も蓄積されるので、中高年以上の方に多いです。
コンタクトレンズによる刺激が大きく影響していますが、紫外線も大きな原因のひとつだと言われています。
≪症状≫
見た目の症状(白目の横に黄色っぽいものがある、白目が濁ったように見える)
白目(結膜)の充血
異物感(眼が乾く、ゴロゴロ感がある)
コンタクトレンズ装用感が悪くなる など。
≪治療≫
「瞼裂斑炎」に対しては炎症を抑えるための目薬などを処方します。
「瞼裂斑」自体の治療法ありません。コンタクトレンズを使用されている方の場合には、刺激が少なくなるようなカーブのレンズに変更するようお勧めすることもあります。
≪予防≫
外で、仕事やスポーツをする際には、紫外線や風にさらされにくくするよう、帽子やサングラスを忘れずに使用しましょう。
また、コンタクトレンズを装用されている方は、自分の眼のカーブに合ったレンズを選ぶことが大切です。自分で自分の眼のカーブにレンズが合っているかを判断することは難しいので、定期的に眼科で医師に眼とレンズのフィッティングをチェックしてもらいましょう。
◆前回書いた「翼状片」と「瞼裂斑」は、見た目がよく似ています。初期には、医師でも区別がつかないこともあります。2つの違いは、
結膜が、黒目の部分(角膜)に伸びるように増殖し広がる=「翼状片」
結膜が、分厚くなった状態だが、黒目の方には伸びてこない=「瞼裂斑」
という点です。
※次回は、【水晶体病変】について です。