WEB版あいちゃん便り
光の明るさや色が身体に与える影響
朝から昼にかけての太陽のまっすぐな光は、人を活動的にします。
一方、夕方に見られる夕日の穏やかなオレンジ色の光は、人の気持ちを安らげ、ゆったりとした気持ちに・・・ホッとリラックスさせてくれるように感じませんか?
これは、光がもたらす心理的な効果によるものです。
白く明るい光は、頭をスッキリさせるので、勉強部屋や仕事をするオフィスに向いています。あたたかな色は、ゆっくりとリラックスしたいリビングや寝室に向きです。
光は、健康にも大きく影響しています。
「睡眠ホルモン」であるメラトニンの分泌に光が関係しているからです。
人の体内では本来、夕方に日が傾き、暗くなり始めるとメラトニンが分泌され始め、そのメラトニンの作用によって私たちは心身をリラックスさせ、睡眠に入る準備を始めるようにできています。
しかし、電気が発明され、夜も明るい照明の下で活動ができるようになったことで、現代人は、メラトニンが十分に分泌されず、質の良い睡眠が取りにくくなっています。さらに、ここ数年は、スマホやタブレットが普及し、一日中スマホから発する光を浴び続ける生活が、当たり前の世の中になってしまっています。
あるスタッフが、眠りに落ちる直前までスマホを見ている生活を数年していたそうです。
本人の話では、昔は一晩寝ればスッキリと翌朝は疲労感なく活動できていたにも関わず、ここ数年は、よく眠った翌朝も疲労感が抜けなくなってきており、それは年齢のせいだと思っていたとのこと。
子どもたちのスマホ依存傾向が心配になり、家族全員で「約1週間試しに、夜10時以降はスマホを見ない生活」を実践してみたところ、いろんな変化があり驚いたそうです。
例えば・・・
家族との会話が増えた
寝室の電気を消すと同時に、入眠できるようになった
目の疲れ、頭痛、肩こりが軽減した
便秘が解消された
イライラしにくくなった
など・・・上記は当院スタッフの個人的な変化ではありますが、これらはすべて研究者の間では既に実証済み。
「目が疲れるから、目薬を!」では根本的な解決にはなりません。
生活の中での疲れない工夫、疲れてしまった場合にはしっかりと疲労を回復させる方法を考えましょう。
遅くとも眠る1時間前には、お部屋の照明をオレンジ色に切り替え、スマホやタブレット、テレビはOFFにして、脳に「そろそろ寝る時間だよ」と伝えるようにしましょう。
読書はしても大丈夫。本自体が光を放っている訳ではないので。
朝は、日の光を浴びましょう。カーテンを開けて自然光を感じるだけでOK。
メラトニンの分泌を止めることで「活動する時間だよ」と身体に伝えることで目覚めが良くなります。